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知らないと損をするカルシウムパラドックスの話

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知らないと恐ろしい!カルシウムパラドックスが引き起こす症状

カルシウムパラドックスとは

カルシウムパラドックスとは、カルシウムが不足することにより、血液中や細胞(脳や臓器など)にカルシウムが飽和状態になってしまうことを言います。
カルシウムが不足しているのに、逆にカルシウム過多になってしまうため、パラドックス(逆説)と呼ばれているのです。

現代の日本人は、食の欧米化や、日本の国土で育った農作物にカルシウムが含まれにくいことから、カルシウムが不足しがちと言われています。
普段の食生活から、知らず知らずのうちにカルシウム不足になっている日本人ですが、カルシウム不足が原因で様々な生活習慣病を引き起こすといわれています。

カルシウムの豊富な食事

毎日欠かさず、野菜を食べていますか?
毎日欠かさず、小魚を食べていますか?
毎日欠かさず、海藻類を食べていますか?
たまに食べる、では意味がないのです。毎日欠かさずにカルシウムを摂る習慣がなければ、カルシウム不足が改善することはありません。

このページでは、カルシウム不足が起こすカルシウムパラドックスの仕組みと、その恐ろしい症状について分かりやすく解説いたします。

カルシウムは骨以外にも存在している

摂取したカルシウムはそのほとんどが骨に蓄えられていきます。しかし、少しだけ血液中や細胞(脳や内臓や筋肉など)にもカルシウムは存在しています。これらのカルシウムは一定のバランスで保たれていて、このバランスが崩れてしまうと生命維持の危険に晒されてしまいます。

カルシウムバランスは99%が骨、残りの1%が血液中や細胞、というバランスを保っています。

カルシウムバランス
「現代人の救世主、八雲風化貝カルシウム」から画像を引用
http://www.big-west.co.jp/yakumo/02.html

例えば骨にカルシウムが1億個あった場合、血液には1万個、細胞には1個、という比率です。

この比率だけを見ると、「カルシウムが一番必要なのは骨なんだ」と思われがちなのですが、実は逆なのです。

骨は血液や細胞のカルシウムが不足した時の貯金箱のようなもので、カルシウムは最優先で血液や細胞に補充されているのです。それは、血液や心臓の動きが生命維持には不可欠であり、それらを動かしているのがカルシウムだからなのです。

もし、カルシウムが骨にしか補充されなければ、たちまち心臓は止まってしまいます。

まず血液や細胞のカルシウムが不足する

血液中のカルシウム濃度は常に8.5~10.4ml/dlに保たれています。血液中のカルシウムが不足すると、身体は骨を溶かし、溶かしたカルシウムで血液中のカルシウムを補います。また、余分に摂ったカルシウムは尿と一緒に身体の外へ排出します。

もし、血液中のカルシウムが8.5ml/dl未満になってしまった場合、「低カルシウム血症」を引き起こします。低カルシウム血症になると、感覚異常(触覚・痛覚・温度感覚などの異常)や、テタニー症状(発作的な手指や足、唇や舌などの痺れ)を起こします。重度になると全身にけいれんを起こします。

血液や細胞にはカルシウムが必要

細胞も同じようにカルシウムが不足すると、筋肉や臓器の活動が低下し、身体がスムーズに動かなくなります。結果、体中のだるさ、腰痛や肩こり、関節の痛みなどを引き起こします。また、カルシウムは心臓の動きを規則的に保つ役割も担っているため、不足すると不整脈を起こす原因にもなります。

骨のカルシウムを溶かして補充する

異常を感じた身体は、足りないカルシウムを補うために急いで骨を溶かします。

この時、骨から血液中や細胞へカルシウムがどっと溢れ出します。すると、カルシウムが不足していた血液中や細胞には必要以上のカルシウムが流れ込み、一時的にカルシウム飽和状態になります。

カルシウムが不足したにも関わらず、逆にカルシウムが飽和状態になってしまうというこの現象を「逆説」と呼び、カルシウムパラドックスと呼ばれているのです。

血液中や細胞に飽和したこのカルシウムが大問題なのです。

血液中に飽和したカルシウムが「高カルシウム血症」を引き起こす

あふれたカルシウムが更なる問題を生み出します。血液中のカルシウム濃度が11mg/dl以上に高まると、高カルシウム血症を引き起こします(血液中のカルシウム濃度が12mg/dl以下は軽度、14mg以上で高度)。

軽度の高カルシウム血症は、症状が出なかったり、症状が出ても脱力感や疲れやすいといった、ごくありふれた症状なので、すぐに命に関わる状態ではありません。

しかし、高カルシウム血症が重くなってしまうと、ふいに意識障害になって倒れてしまったり、脱水症状や肝不全などが起こります。

高カルシウム血症で意識を失う

高カルシウム血症が引き起こす症状はこれだけではありません。他にもさまざまな病気を引き起こす原因となる危険性があります。

高カルシウム血症による腎臓結石

腎臓結石はカルシウム過多が引き起こす病気です。以前までは「カルシウムを摂り過ぎると腎臓結石ができる」と、カルシウムを摂取することを不安に思う方が多かったようです。

しかし、最近では、カルシウム不足によるカルシウムパラドックスが腎臓結石の原因となる事がわかってきたのです。

カルシウム不足で腎臓結石になる

腎臓結石は、尿に含まれるカルシウム濃度が高まり、リン酸やシュウ酸と結びついて結石ができる病気です。尿の通り道に結石が出来てしまうため、尿路結石とも言われています。痛みを伴わない場合もありますが、多くの場合はこの結石が狭い尿管へつまると突発的に激痛を引き起こします。

通常の食事でのカルシウム摂取量が多い場合には、腸管内に十分に存在しているカルシウムが、シュウ酸と結合して、便として排泄されます。そのため、尿中で結石ができることはないのです。

しかし、カルシウムが不足してしまうと、カルシウムと結合できなかったシュウ酸は腎臓にまで吸収されてしまいます。すると、カルシウムパラドックスで骨から溶けだしたカルシウムが腎臓内でシュウ酸と結合してしまうのです。

腎臓で結石を作らないためにも、カルシウムは十分に摂取しておく必要があるのです。

細胞に増えすぎたカルシウムがアルツハイマーを引き起こす

細胞はカルシウムによって体内の情報をキャッチしています。この働きはカルシウムバランスが崩れてしまうと、たちまち機能が低下してしまうのです。

カルシウムパラドックスによって神経細胞内にカルシウムが飽和してしまうと、脳の神経細胞は死滅していくと同時に、正しく思考をする力が失われていく原因となります。しかも、恐ろしい事にこの脳神経細胞は一度死滅すると二度と生まれ変わることはありません。

カルシウム不足でアルツハイマー病になる

年齢とともに脳細胞の数が減っていくのは死滅した脳神経細胞が再生しないからなのです。

カルシウムパラドックスを長い間放置していると、その間に脳神経の細胞の死滅は進んでいき、アルツハイマー病を引き起こす原因となっていきます。ですから、骨粗しょう症の方にはアルツハイマー病が多いとも言われているのです。

カルシウムパラドックスを防止するために

カルシウムパラドックスは、さまざまな成人病を併発する恐れのある危険な状態であることをご理解いただけたでしょうか?

カルシウムは、病気にならない健康な身体を手に入れるためには決して欠かすことのできない栄養素なのです。

健康の抜本的な改善を行うためには、カルシウムを十分に摂取すること。つまり、食生活を改善することが一番の近道です。

カルシウムを十分に摂る事が大切

カルシウムが十分に摂取できていれば、骨が丈夫になる事はもちろん、神経細胞の働きも活発になり、物忘れ防止にもつながります。また、筋肉の動きがスムーズになることから、心臓の動きも安定し、身体の免疫力自体の向上にもつながります。

タンパク質の摂り過ぎにも注意

日本人の10人に7人はカルシウム不足と言われています。それは元々、日本の国土で育つ作物にカルシウムが含まれにくいことや、食文化が欧米化したことで、昔の日本人が食べてきた小魚や野菜や海藻類をあまり食べなくなったことがあげられます。それに伴い、タンパク質の摂取が多くなかった事も大きな原因です。

タンパク質を摂り過ぎる欧米食文化

タンパク質を摂取すると、身体はタンパク質を代謝して酸性化します。私たちの身体は弱アルカリ性でなければなりません。身体が酸性に傾くと、白血球の働きが鈍くなり、身体の免疫力が低下してしまうのです。

それを防ぐためには、カルシウムをはじめとしたミネラルを十分に摂ることが肝心です。ミネラルは水に溶けると化学反応を起こし、アルカリ性になる性質をもっています。

また、合わせてビタミンDを摂取する事も心掛けると良いでしょう。ビタミンDは血液中のカルシウムやリンの濃度を正常に保つ手助けをします。加えて、カルシウムの吸収を助ける役割がありますので、カルシウムと一緒に摂取することを意識しましょう。

天然のカルシウムを摂りましょう

一番良いのは骨ごと食べれる小魚や、小松菜などの野菜、海藻類を食べることです。

普段の食生活に不足しないように心掛けるようにしましょう。

もし、サプリメントで補う場合には注意が必要です。ひとえにカルシウムと言っても、天然のカルシウムと、人工的な手を加えたカルシウムが存在します。

高温で焼いて(焼成)殺菌したカルシウムは焼成カルシウムと呼ばれており、身体に吸収される速度が速すぎるぎるため、かえって骨にしっかりと届かないカルシウムだと言われています。サプリメントで補う時には、未焼成のカルシウムを選ぶことが重要です。

カルシウムサプリメント 飲む

とはいえ、市販されているカルシウムの「どれが焼成カルシウムで、どれが未焼成カルシウムなのか」は、サプリメントの原材料名を見てもピンときにくいのが現状です。ですから、「天然カルシウム」や「未焼成カルシウム」の表示のあるサプリメントから選ぶことをお勧めします。

いずれにしても、普段の食事から毎日摂取することが一番確実です。「今日はカルシウム不足かな」と思ったら、煮干しをポリポリと食べることが一番手軽で確実だと思いますよ。

 

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