お気に入り登録必須!カルシウムの効果・効能とカルシウム不足の危険
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日本人の10人に7人が不足しているカルシウム
日本人はカルシウムが不足がちだと言われています。理由は、日本が火山灰地であること。土に含まれるカルシウムの含有量が少ないため、その土で育った野菜や飲み水に含まれるカルシウムも少ないのです。
しかし、昔の日本人が慢性的なカルシウムに悩まされることはありませんでした。
なぜなら、主食が「米」や「魚」だったので、食生活の中で自然と十分なカルシウムが摂れていたのです。近年では食文化もめっきり欧米化しており、ほとんどカルシウムが摂取されなくなってしまいました。
カルシウムが不足している日本人は70%以上と言われ、幼少の頃からカルシウム不足に陥るほど深刻化しています。
しかし、実際に不足している私たちは、あまりにもカルシウムを軽視しがちなのではないでしょうか?
普段の食事からカルシウムを補う事は、健康の上で必要不可欠です。
なぜなら、カルシウムが骨や歯を形成していたり、血液や筋肉、さらには神経や心臓の動きまで、身体のほぼ全てに関わる栄養成分だからです。
一時的なカルシウム補給では全く意味がなく、不足すればするほど継続的な改善が必要となります。その代わり、継続的にカルシウムを補えばそれが健康の基盤となり、さまざまな症状の改善も期待できます。
そこで、今回はカルシウムの知識をより深める事によって、あなたの健康に活用できるカルシウム不足の解決方法を詳しくご紹介します。
あなたが今抱えている身体の悩みが、カルシウム不足を解消することで改善されるかもしれません。
少なくとも、カルシウム不足に心当たりのある方は、このまま読み進めてみてください。
カルシウムを正しく補うことで、今以上に健康な身体になることをお約束します。
カルシウムの効果・効能
骨を丈夫に保つ
カルシウムが不足すると骨が脆くなり、骨密度・骨量が低下します。すると骨粗しょう症などを引き起こします。骨は男女ともに21~40歳の間に最も強くなり、この時期を最大骨量といいます。しかし、最大骨量の時期を過ぎると徐々に骨の量が減っていくので骨粗しょう症も起こしやすくなるのです。
特に女性は閉経後は急激に骨密度や骨量が低下するので注意が必要です。
歯やあごを丈夫に育てる
成人して育ち切った歯にはあまり効果がないとされていますが、成長期のお子様は別です。
成長期にカルシウムが不足すると歯やあごの骨の発達に支障をきたしてしまう場合があります。
歯やあごが正常に発達しないと、咬み合わせも悪くなり、食欲の減退にもつながります。
神経の興奮を抑制したり神経情報を伝達する
カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下し、神経が興奮しやすくなります。これはカルシウムに神経の興奮を抑制する効果があるからです。
また、神経情報を伝達する役割も担っているため、カルシウムが不足すると神経を通じて脳に伝わる情報伝達が雑になってうまくいかなくなるとも言われています。
ホルモン・酵素の働きを助ける
カルシウムはホルモンの分泌を促進させ、酵素、ビタミン類の作用に大きく影響を与えます。
カルシウム不足でホルモンバランスが崩れると免疫力が落ちるので、体調を崩しやすくなる原因になるといわれています。
筋肉の収縮を行う
カルシウムは筋肉を動かす役割を担っています。
カルシウムが不足すると筋肉が思う様に動かなかったり、筋肉疲労の原因となり肩こりや腰痛を起こしやすくなります。
「朝起きた時に関節や筋肉に傷みを感じる」という症状は、代表的なカルシウム不足の症状です。
カルシウムが不足すると心臓が止まる?!
「カルシウムが関わる部位は骨や歯だけ」と思っている方も多いのですが、実はカルシウムは身体のほとんどの部分に関わっています。例えば、脳の働きや、心臓の動きなどがそうです。
心臓はカルシウムが動かしているのです。ご存じでしたか?
心臓や筋肉は常に伸縮を繰り返しています。実はこの収縮の動きを作り出すのがカルシウムなんです。
筋肉の動きは、筋肉の中に存在するカルシウムイオン濃度の変化によってコントロールされるのです。
脳が筋肉を収縮させる命令を神経に伝えると、カルシウムイオンが筋肉の中へ放出され、筋肉の伸縮スイッチであるトロポニンと言うタンパク質にくっつきます。すると、筋肉は反応して収縮するのです。逆に抜けていくと筋肉はもとの状態に戻ります。
心臓を動かしている筋肉も同じ原理で動いているため、心臓の動きを維持するためにはカルシウムが不可欠。
カルシウムが不足することは生命維持の危険につながることなのです。
しかし、カルシウムが不足してもすぐに心臓が止まるわけではありません。現に、カルシウムが不足していながらも私たちは生活を行うことができます。なぜなら、不足したカルシウムを身体の別の場所から補っているからです。そして、それが深刻な問題を身体の中で引き起こします。
骨はカルシウムの貯金箱
カルシウムの99%は骨や歯を作るために使われます。そして、残りの1%が筋肉の収縮や心臓の維持、血液、神経の伝達などに使われるのです。十分なカルシウムを摂取しなかった場合、身体の中では骨や歯だけでなく、それ以外の場所でもカルシウム不足に陥ります。
すると、生命維持を行うことが出来なくなってしまうため、身体は慌てて骨を溶かし、溶かしたカルシウムでそれらを補おうとするのです。
だから骨がスカスカになっていったり、歯がとても脆くなり欠けてしまったりする症状が出るのです。
しかし、本当に恐ろしのはその後なのです。「カルシウム不足で骨を溶かさなければならない!」という異常事態が起こることで、身体自身がそれに順応しきれず、カルシウムパラドックスという恐ろしい現象を引き起こしてしまいます。
カルシウム不足の無限ループ カルシウムパラドックス
人間の身体は、体内で配分されるカルシウム比率は常に一定に保たれています。
例えば骨に1億個が蓄えられた場合、血液には1万個、そして細胞には1個というのが理想的なカルシウムバランスなのです。
身体を正常に保つためには、常に血液中のカルシウムを一定の濃度に保つ必要があります。
カルシウムパラドックスとは、この比率が崩されることで引きおこる危険現象です。カルシウムが不足し、身体が骨を溶かしてカルシウムを補おうとした時、骨からは過剰にカルシウムが溶け出てしまい、必要以上のカルシウムが血中や細胞などに増えてしまいます。
血液に増えすぎたカルシウムは血管の中でつまり動脈硬化を引き起こしたり、細胞に沈着すると高血圧や肩こりなどの症状を引き起こします。
すると、身体がその異変に気付き、今度は血中や細胞に増えすぎたカルシウムを身体の外へ排出しようとしてしまいます。
その際にカルシウムを身体の外へ出し過ぎてしまい、さらなるカルシウム不足を引き起こすのです。
カルシウムパラドックスは生活習慣病の大きな原因となり、最悪の場合は突然死を引き起こす可能性もあります。ですから、カルシウム不足を放置しておくことはとても危険なことなのです。
カルシウムパラドックスについて詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
知らないと損をするカルシウムパラドックスの話
カルシウム不足のチェックをしてみよう

カルシウム不足は普段の食生活を正さないかぎり改善することはありません。
そして、身体はカルシウム不足をあなたに日々訴えかけているかもしれません。カルシウムが不足すると、それが症状としてあらわれます。以下の症状がある場合には、先ずはカルシウム不足を疑ってみましょう。各症状がなぜ起こり得るかも記載いたしますので、参考にしてみてください。
身体が疲れやすいと感じる
カルシウムが不足すると筋肉がスムーズに動かなくなるため、身体に疲れを感じる場合があります。
背中や腰が曲がっている
姿勢が悪い上に、カルシウム不足で骨がスカスカな状態だと、背骨が曲がりやすくなります。
目覚めや寝つきが悪い
カルシウムには自律神経を整える効果があります。カルシウムが不足すると生理機能が低下し、ぐっすりと眠れなかったり、目覚めが悪くなります。
身長が縮んだ
身長が縮むのは加齢が原因ではなく、姿勢の悪さとカルシウム不足が原因です。
気力のなさや、気持ちの浮き沈みを感じる
カルシウム不足でホルモンバランスが崩れると、やる気が出なかったり、うつ状態に陥る原因となります。
物忘れが多い
カルシウム不足により、神経伝達がうまくいかない場合に「物忘れ」という症状になって出る場合があります。
偏食だと感じる
普段の食生活がカルシウム不足だったり、カルシウムの吸収を阻害するリン(お菓子類に多く含まれる)を過剰に摂ると、カルシウム不足が深刻化する原因となります。
喫煙・お酒を飲む
タバコを吸うと、骨の健康を保つホルモン「エストロゲン」の分泌量が減り、お酒を飲むとアルコール分解の為にカルシウムを消費します。
歯茎から出血しやすい
カルシウムは歯茎を強くする役割があります。カルシウムが不足すると歯周病の原因になります。
市販のジュースを良く飲む
糖分を摂り過ぎ、酸性に傾いた身体を弱アルカリ性に戻すために、カルシウムが消費されます。また、食品添加物にはリンが含まれるため、カルシウムの吸収を妨げてしまいます。
生活のリズムが不規則
体内時計を維持するための酵素「CaMKⅡ」はカルシウム不足で機能を失います。その為、生活リズムが少しずつくるってしまうのです。
野菜や海藻類・小魚を食べない
これらは日本人の主なカルシウム源です。天然のカルシウムを摂取する事は身体にとても大切なこと。普段の食生活で摂取しなければ、慢性的なカルシウム不足へ直結します。
妊娠中や授乳中の女性
妊娠中は胎児の骨や歯を形成するためにカルシウムを消費するため、身体のカルシウムは大きく不足します。また、授乳中も良質な母乳を作るためにはサラサラの血液が必要で、そのためには多くのカルシウムが必要です。
インスタント食品を食べることが多い
添加物が含まれる食品にはリンも多く含まれているため、カルシウムの吸収が阻害され、カルシウム不足の原因となります。
頭痛と足のしびれを感じることがある
頭痛と足のしびれが併発した場合は、血行障害の可能性があります。全身に血液が十分に巡っていない場合に脳が危険を察知し、頭痛の症状としてあらわれます。
まぶたがピクピクと痙攣したり、足がつる事がある
筋肉を動かしているのはカルシウムですので、カルシウムが不足すると筋肉がスムーズに動かなくなり、まぶたの痙攣や足がつるなどの症状として出ます。
肌が弱い・水虫になった
皮膚の抵抗力が弱まっていることが原因です。カルシウムが不足すると皮膚の免疫力が下がるため、水虫を発症することがあります。
イライラする事が多い
カルシウムにはホルモンバランスを整えたり、自律神経を整える作用があります。カルシウムが不足すると、情緒不安定・集中困難といった精神症状としてイライラの原因になるといわれています。
血圧が高い
カルシウムが不足すると、骨が溶けだし、血中のカルシウム濃度を高めてしまいます(カルシウムパラドックス)。結果、血圧が上昇するという症状がでます。
関節の痛み
カルシウムパラドックスが起こると、骨から溶けだしたカルシウムが軟骨に入り込み、関節が固くなるため、軟骨がすり減りやすくなる恐れがあります。すると骨への衝撃がうまく吸収できなくなるため、関節の痛みとなってあらわれます。
風邪をひきやすくなった
カルシウムには身体の情報伝達を行う役割がありますが、カルシウム不足になると情報伝達がうまくいかないため、免疫細胞も弱まります。そのため、抵抗力が弱くなり風邪をひきやすくなるのです。
カルシウム不足の解消法

カルシウム不足を改善するためには、まず食生活を見直す必要があります。
一日に必要とされるカルシウムの摂取量は、成人男性は800mg、成人女性は650mgです。
野菜のカルシウム含有量ランキング/100g当たり | 海藻のカルシウム含有量ランキング/100g当たり | 魚のカルシウム含有量ランキング/一食目安のg | |||
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パセリ | 290mg | 干しひじき | 1400mg | どじょう・丸ごと(5尾 85g) | 935mg |
モロヘイヤ | 260mg | 乾燥わかめ | 960mg | どじょう・骨抜き(5尾 85g) | 550mg |
大根の葉 | 260mg | 利尻こんぶ刻み昆布 | 940mg | まいわし・丸干し(1尾 85g) | 308mg |
かぶの葉 | 250mg | まつも素干し | 920mg | はぜ甘露煮(3尾 30g) | 294mg |
バジル | 240mg | ほそめこんぶ素干し | 900mg | わかさぎ(小8尾 65g) | 293mg |
しそ | 230mg | 乾燥わかめ素干し | 820mg | うるめいわし・丸干し(1尾 60g) | 285mg |
小松菜 | 170mg | りしりこんぶ素干し | 790mg | ししゃも・生干し(3尾 75g) | 224mg |
ロケットサラダ | 170mg | こんぶ類素干し | 780mg | さば水煮缶(1/2缶 80g) | 208mg |
菜の花 | 160mg | あおのり素干し | 260mg | 煮干し(大5尾 8g) | 176mg |
100g当たりのカルシウム含有量は干しひじきが1400mgとダントツですが、実際にひじきを100g食べるのはとても大変です(干しひじき1パックで60gぐらい)。
あまりに偏って大量に食べると塩分の摂り過ぎなどに繋がりますのでご注意ください。こちらの表はあくまで含有量の表となります。
魚は切り身で食べる(骨を食べない)ような魚では殆どカルシウムは摂れません。小魚でカルシウムを摂ることを心掛けてください。
食事での改善が難しい場合はサプリメントで補給を。

小魚中心の食事で、カルシウムを意識した野菜と海藻を必ず食べる。これが最も身体にやさしいカルシウムの摂り方です。しかし、残念ながら昔の日本人が普段実践していた健康習慣が、現代人には難しくなっているのです。
食材から摂取するカルシウムは天然のカルシウムですので、サプリメントなどで摂取するよりも良質なカルシウムとなります。
しかし、毎日欠かさずにそれら天然のカルシウムを食事から摂取するのは難しい現代。サプリメントでの栄養補助も必要になる方は多いと思います。
サプリメントでカルシウムを摂取する場合には、そのカルシウムが焼成されたカルシウムなのか、未焼成のカルシウムなのかを吟味する必要があります。